失礼な「働き方改革」法案

昨日、証明書類が必要になって北京にいる妹にお願いしました。すると1時間半後に「取ってきた」と言うのです。「今日は土曜日じゃないの?」と言うと「役所は土日もやっているのよ。兄さん知らなかったのね。」と言われました。

そう言えば、中国では銀行も土日営業しています。「日本の銀行は3時まで」と言うと中国人は目が点になります。夫婦が共に働く中国では、行政サービスや金融サービスは仕事時間外に受けるのが当たり前です。

日本の国会で大騒ぎしている働き方改革法案。この話を聞くたびに不快になるのはなぜ個人の働き方を法律で決めてもらわないといけないのかと思うからです。与党と経営者団体がやるべきことは社員が働き方を決める権利を尊重することです。自由な労働市場に基づきより良いサービスを規制緩和と経営改革を通じて実現することです。働き方は生き方の重要な部分であるため、法律で働き方を決めることは生き方を法律化するようなものです。

夕方や土日にも住民サービスを受けることは、公務員や民間人の総労働時間を増やさずに実現することが可能です。しかし、社員がいくら働き方を変えてもしょせん、規制と経営の下で行われた「戦闘行為」です。兵隊がいくら勇敢に犠牲を払っても大本営と司令達が改革を拒否すれば無駄死にが増えるだけです。

実は働く社員の一人一人は必死です。自分の家族を守るために少しでも収入を改善しようと時計の針を見ながら残業代を計算する父親の姿が目に浮かびます。しかし、彼らは兼業できない、転職しにくいから、一つの会社に媚びを売って忖度し、他に通用しない社畜に成り下がるしかないのです。だから安い残業代を狙って、少しでも収入が良くなるように頑張っています。

本当のことを言えば、彼らが好きなだけ兼業できるならば、何も同じ会社でわずかな残業代を稼ぐ必要はないのです。正々堂々と他のところで気分転換しながら勉強しながら稼げばいいのです。しかし、政権のために働き方改革を宣伝する大手マスコミのサラリーマンに聞いてみれば分かるように、兼業を許す大手マスコミがどこにありますか。規定上できても運用上不可能にしている大手も出てきましたが、正規と非正規労働の格差がこれだけ大きくなれば、非正規に成り下がらないように、必死に忖度しないサラリーマンはいないのです。

結局、働き方改革は社員を楽にする法案ではなく、経営者を楽にする法案なのです。そして当局や経営者側に立つ既得権益者たちがその法案に「働き方改革」という失礼なタイトルをつけて国会で通そうとするのです。先日、データ不正との理由でこの法案の通過を放棄された時に、経営団体の代表たちはこぞって残念を表明したことが象徴的でした。働き手のためのものであれば、労働者たちが反対するはずです。この法案は羊の頭を掲げて犬の肉を売る法案なのです。

私は左翼と思われるかもしれませんが、間違いなく保守なのです。現役の時から自由経済と経営改革を信じて止まない経営者でした。私は日本で最初に残業を制限した経営者だったかもしれません。サービス残業を最も早く厳しく批判した経営者だったと思います。

本当の進歩は社員の労働強度を減らしながら、収入を維持することです。あるいは同じ労働強度を維持しながら、社員の収入を上げることです。「週休7日が幸せか」と過労死遺族に問い詰める飲食産業の経営者議員。これは「働き方改革」の本質を象徴する一幕です。週休7日を求める日本の社員を見たことはありませんが、構造改革と経営改革が遅れているくせに毎日社員に勤勉と頑張りを求める経営者を私はたくさん知っています。

同じ飲食産業でも先日深センで社員が楽になって顧客が満足する風景を見ました。着席するとウェーターがやってきてテーブルに置いてある二次元バーコードを指して「ご注文はこちらからどうぞ。」と言った後、20分間の砂時計をひっくり返して「上の砂がなくなるまで食事が揃わない場合、食事が無料になります。」と言って去りました。

二次元バーコードを携帯でスキャンして写真付きのメニューから食事を注文し、食事後にそのまま携帯で支払うのです。注文取りなし、レジなしです。社員がやることはクレーム処理や老人や子供の手伝いです。

この現場から分かるように、規制緩和を通じて金融改革をした上、経営者が技術投資と経営改革を敢行しない限り、上述のようなサービスは出現しません。「週休7日が幸せか」という誰も望んでいない仮説を立てる暇と、「働き方改革」を法制化する暇があるなら、自分たちの改革に早く着手したほうが自他ともに良くなりますよ。
この記事へのコメント
面白く読みました

私も働き方改革に疑問を持っています
我が会社でも、上司に合わせて、会議禁止など改悪案が進んでいます

一定の時間で終わらない業務の質や原因を問う意識が低いのに、日本人のダメさを感じます

まさに、法律で決めて欲しくない内容ですね
Posted by 浅野嘉名 at 2018年04月20日 08:33
私が1981年に職場配属になった当日、つまり社会人第一日目に感じたことをそのままご指摘頂いたようで驚きました。
Posted by 江川 彰彦 at 2018年04月20日 08:37
働くのは、ボランティア活動と違い経済価値を生み出さなければなりません。 誰が経済価値を生み出すのを企画しているかです。
@企画者で複数の人手が必要な事を企画した:経営者
A自分だけで出来ることを企画した:個人事業
B他人が企画したことの為に手足になって働く:通常のサラリーマン(このなれの果てが大企業の経営者で良いのか、東芝の種は尽きません。
@は社員の生活を保障するので、責任を伴います。
Aは、一番気楽で縛られない、スマホさえあれば何処でもオフィースです。
Bは、働くというとこがこの範疇で分配論に日本の場合なります。でも自分の労働がお金になるかは、他人任せなので、気楽な職業です。
現在71歳で3社ばかり請負営業で適当に稼いでますが、義務がなく権利だけのAが増えていくのが本当の意味での働き方改革では、と思います。
Posted by 石井 洋二 at 2018年04月20日 08:45
宋さん

いつも拝読しています。

今回はよくぞ言ってくれました、と思うと同時にどうして国内でこのような声が大きくならないかを考えさせれたました。




Posted by amleth at 2018年04月20日 08:49
もう…拍手です。 その通りだと思います。
人間というものがわかってない人達が、今のこの国の上部にいる。 こんな口だけ巧みな権力者達を、ここまで放置しておく私たち国民を、どうしたらいいのかと思います。  やはり、繰り返し、今の教育の在り方を問いたいです。
Posted by 末永美枝子 at 2018年04月20日 09:14
いつも拝見させていただいています。

毎回、前向きなご意見に納得するとともに、なぜ日本は このようなまっとうな意見が論議のテーブルにすら載らないのか?極めて残念です。

なぜ日本人は ここまで内向きなのでしょう?
〇務省のセクハラや××学園問題等、この国の未来を優先していない日本のトップの方々のダメさ加減に見せられると、若い人たちが将来への希望を持てなくなると、子を持つ親として、非常に悲しくなります。

予備知識がある訳でも、その関係者でもありませんが、現在は 問題を世に問う(例えば署名活動を募る)ネットの活動もあるようですし、そちらに公表していくのはいかがでしょう?
(宋さんにご迷惑がかからぬよう、厳重な注意が必要ですが)

私自身、公私ともに問題を抱えており、日々疲れ切っている身ではありますが、子供たちの為に、何かしたい気持ちはあります。




Posted by 新潟の通称ボーズ at 2018年04月20日 09:28
いつも有難うございます。

この件、たまには私もスパークしようと
思います。働き方改革、出て来る題材の
相当数、体を張って提供したつもりです。

早朝出勤して語学学習をして、事務処理
をこなし、月末金曜午後は何か訪問先を
作って気分転換していました。4年前の
ことです。あれ??、プレミアム何とか、
とか、早朝語学学習ブームとか?
既視感ありありですが、笑

結果、私はその会社をリストラに遭い、
再就職先はいわゆる火事場泥棒、不正会計
在庫処理で知る人ぞ知る会社、、頭に来た
ので海外への再就職活動をしながら国内で
自営をしています。

やっていたことをネタに使うだけで、何も
報酬も成果も与えない社会はさっさと
見切った方が子孫のためだろうと思って
いますが、さすがに見る人はちゃんと見て
いるようで、政権が落ち目になると同時に
前向きな話が色々来るようになりました。
ですので、この経緯・文脈をきちんと記録
と記憶に残して次段階に進もうと考えて
います。

「働き方改革」とは、改革と名付けて
ネタにだけ使う、古今東西、権力者の
"常套"手段にすぎません。
"上等"じゃありませんか(^^;)。

犯人はどこか、もう一目瞭然ですね(笑)。

(注)既に、次に繋がろうとしている
状況ですので、毒を吐くのはこれくらい
にして今回だけはご容赦下さいませm(__)m
Posted by sparerib at 2018年04月20日 09:42
生産性向上や新事業育成こそ「経営者の仕事」であって、従業員の自転車をもっと漕がせる議論ではありません。「働かせ方改革」も本質は賃金カット以外の何者でもないからこそ、法案提出が流れた時に経営者団体ががっかりしたわけです。
賃金カットしか知恵のない経営者を入れ替えない限り、日本経済の浮上はあり得ません。そこをなんとかする知恵を出さねば・・・
Posted by Hiro at 2018年04月20日 09:46
某野党も、「1日8時間働いたら普通に暮らせる世の中を」と言い放っています。悲しい。なぜ8時間なのか。。。
強制しなければ社員は自律的に成果を上げることが実証されています。それができないのは経営者が社員を信じていないから。成果を上げられない社員がいたときにどうするべきかということを考えないから。全てについて計画をたてられないから。(考えたくない? 考える能力がない?)
Posted by Best Field at 2018年04月20日 09:47
宋さん
お早うございます。
今回のコラムは「う〜ん」とうなりました。
理にかなっているのです。

宋さんの言う通りであれば「就職活動」もその規制も糞くらえですね。

まるで日本って、帝国主義×社会主義ですね…?
Posted by 沼田一博 at 2018年04月20日 09:56
そろそろクールビズの季節ですが、服装にせよ働き方にせよ、お上からのお達しがなければ変われないのは国民の意識が真の意味で成熟していないからだと感じます。
義務教育課程では従順たることばかりを求められ、それが世界に誇る日本の美徳であるかのようにテレビでも繰り返し喧伝されてほとんどの人は疑問にさえ思わないばかりか、少数派意見を主張することを「イタイ」ことだと考えています。
そしてそうした至極当然の違和感や疑問を呈する人たちを「左翼」のひと言で片づけるのが今のネット社会です。

シンセンの飲食店のお話も、行政サービスも素晴らしいですね。
ぜひ「日本すごい番組」の信者の方々にも見ていただきたい内容です。
Posted by 働き方より政権改革 at 2018年04月20日 09:58
「働き方改革」は、”改悪”になるでしょうね。日本の終身雇用制がもてはやされた時期も一時はありましたが、これは間違いで、低賃金・長時間労働の根源でしょう。
私も、転職したときに色々考えましたが、終身一つの会社にしか働かない人は、社会に対する犯罪ではないかと思いましたね。
話は違いますが、私は、将来の社会はロボットが働いて、人間は働かないでも過ごせる社会になって、最低の収入保障を受けられる様になって欲しいと思います。古代ローマ時代の奴隷がロボットになり市民が遊んでいても過ごせる社会は理想でしょうね。(働きたい人は一生懸命に働けばいいのです。)
最も、今の中国はこの様な社会なっているのでしょうか。共産党員が金持ちになってその他の国民が大変な暮らしをしている社会に見えますが。
Posted by 旧旧車 at 2018年04月20日 10:00
ルールを守る・マナーのある日本人だからだと思います。
ただ、昔から人の意見に左右され、うのみにする点は、変わってほしいです。

Posted by まりん at 2018年04月20日 10:14
宋さん

宋さんご指摘の通りです。今回のご意見、全面的に支持!!

いわゆる経団連に象徴される日本の旧態依然とした経営者は限りなく国家社会的なメンタリティで政官財の癒着を前提とした集団な気がします。

表向きは資本主義・自由主義を建前としつつも、既存ビジネス保護、既得権保護の村社会であり、国家社会主義的な側面が強いと思いますね。

バブル崩壊後の失われた30年に苦しむのも当然であり自業自得かと。

過去からのシガラミをぶち壊す必要があると思っています。
Posted by red thong at 2018年04月20日 11:22
全く同感です。働き方を法律で決めるなんてナンセンスです。本当の改革は外枠の時間規制でなく仕事内容の改革と労働流動性の向上でしょうね。
Posted by 佐藤 潔 at 2018年04月20日 12:54
興味深く拝読しました。中国の銀行は土日営業が当たり前、とは、恥ずかしながら初耳でした。今回の法案は、働く人のためになっていないのではないかと思っていましたが、その通りだったようです。首相があまりに熱心でしたから。
Posted by A生 at 2018年04月20日 13:04
宋さん

いつもお世話になります。
毎回メルマガを拝読させていただいております。

先に宣言しておきますが、私は勉学においても政治においても何の知識もなく、今回コメントしますが内容や言葉に誤りがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

宋さんのことはテレビで左翼と言われているのをお見かけしたことがあります。また、実際にメール内で、よく「左翼ではない、保守」だと記載されておりますが、読めば読むほど私にも左翼に見えています。
もしかしたらビジネス上のメルマガで一部の人を、洗脳しようとしているのではないかとさえ思っています。笑うでしょうね。

大変な無礼を記載しましたが、今回の働き方改革に関しましては、全く同意見です。

これは左翼や右翼ではなく、価値観や倫理観の問題だと思います。

「週休7日が幸せか」には衝撃でした。

先日まで国会で議論されていたみなし残業に関わるデータ不正においては、安部首相が「働き方改革」を提唱する代わりに経団連から絶対にみなし残業を通すように言われたのではないかとすら思いました。

私は共働きであり4歳の子供もおります。まだまだ子供も風邪をひいたり、肺炎になったりと落ち着かず、子供のために休暇を使うのみで有給休暇は毎年ぎりぎり。何とか過ごせる範囲で残業と土日出勤で消化としていただいこともあります。

日本の役所は本当に効率が悪いと感じました。保育園に出す書類に毎年同じことを記載した書類を提出する必要がありますが、郵送ではなく、役所に提出という何とも保育園に求めることとは思えない謎の仕組みです。

また、金曜19時まで開庁とされていますがなぜか、書類提出は17時までしかできないとのことです。

私はたまたま家と会社が近くにあり、上司に許可をもらいダッシュで用事を済ませていますが、世の母は大変だなと痛感しております。
銀行も同様です。

働き方改革をする前に、庶民に密着した改革を行わない限り、日本は新しい時代を迎えれず、世界からどんどん引き離されていくと思います。

これからも左翼の人だと思うと思いますがメルマガは読ませていただき、いろいろな考え方を勉強させていただきます。

乱文・乱筆失礼いたしました。
Posted by ゆみさん at 2018年04月20日 15:28
宋さんと同学年のおやじです、全くその通り。
最初にいた日本企業は有休を取らない社員を皆勤賞で表彰していました。(まだそんな時代でした)
その後外資を渡り歩き 日本がどんどん変な方向に行っているのを危惧しています。
・自分たちで有休がとれないから、どんどん祭日が増える。海外から見ても国民の祝日が多すぎ
・働き方改革、で旗振りしているお役人が遅くまで残業してれば そりゃ無理も出るでしょう
・女性の活躍、を謳う政府が堂々とセクハラのもみ消しや言い訳でアップアップしてれば女性活躍なんて無理でしょ
・プレミアムフライデー? 国がこんな馬鹿なことを真面目に旗振りしていることが嘆かわしい
・自分は英語が出来ないから至急渡航せよ、と休日の夜中に電話をかけてくる非常識な客、人のこと、海外の事情などお構いなし。せめて命令でなく”お願い”でしょう、そこは。
 あ、話が外れましたか。

何十分もタクシー待ちの列に並んだ挙句、高額なタクシー代を払わざるを得ない国。
電子マネーやICカードで先鞭をつけたはずなのに、いつの間にか周回遅れになっている国。
これからは英語が重要、と30年前に誰もが言っていたはずなのに、30年経っても英語が喋れるのが偉いと言われる国、みんな日本。

どうしてこうなってしまった?
Posted by PAPA365 at 2018年04月20日 19:51
当局や経営者側に立つ既得権益者たちがその法案に「働き方改革」という失礼なタイトルをつけて国会で通そうとするのです。先日、データ不正との理由でこの法案の通過を放棄された時に、経営団体の代表たちはこぞって残念を表明したことが象徴的でした。
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マスコミで働いている「社畜」が本音で発言できない日本は可哀相ですね。
Posted by ひろ4 at 2018年04月20日 20:38
「働らかせ方改革」言いえて妙ですね。

コメントの方全員が宋さん意見に賛成とはやらせ見たいな気がしないでもありません。

そんなにおかしい法案なら、なぜ野党は全面反対しないのでしょうか。

「一億総活躍社会を実現するための改革」とかのキャッチフレーズ(羊頭)に負けているのでしょうか。

「日本の労働生産性は、OECD加盟国の全35カ国の中で22位となっています。主要7カ国の中で最下位です。」などのうたい文句に反論できないのでしょうか。

こういうおかしいところを是正しようとする法案でもあるのではないのでしょうか。

電通の社是が否定される世の中になりましたから、仕方がないのでしょうか。

宋さんも一日8時間働いたから今日一日は終わり、なんていう生活をしてこられたのでしょうか、徹夜したりはなかったのでしょうか。


Posted by 坂彦 at 2018年04月20日 22:57
こんな捉え方があるのかと、いつも感心して拝読しています。

今の「働き方改革」は「働き方の選択自由度」が増すものではなく、企業側の「働かせ方改革」になっていることが世間的に受け入れられない原因ではないでしょうか。

ところでヨーロッパに行くと、夜間や日曜は何もかも閉まっていて戸惑います。
今、24時間コンビニが出店しても多分受け入れられないんでしょうね。

かつて高度成長時代、貿易摩擦に伴って日本が働きすぎと批判され、当時の先進国から様々な制約を受け入れてきました。
土日主体の週休2日も外圧を受けた国の施策の結果で、国民が選択した結果ではありません。

昔「平和相互銀行」は確か夜7時まで窓口が開いていたのですが、何かの不正事件がきっかけだったでしょうか、住友銀行に吸収されて、サービスもなくなってしまいました。

最近はやっと「マイナンバーカード」があればコンビニで公共書類を受け取れるようになりました。
役人が作るシステムは、上から目線で使えないシステムが多いのですが、少しずつ前に進みつつある感じです。
医者も近頃は土曜日開院する医院があったり、20時まで開いていたり、自由度が広がってきています。

上意下達で【特区】等を作るより、網をかいくぐれないようにセーフティを読み込んだ緩和策で、経済原理に基づいて選択自由度が広がるといいですね。
Posted by 上野宏記 at 2018年04月21日 10:55
本件2度目の投稿です。

私が就職した時代は、第2次オイルショックで就職先がなく、なんとか滑り込んだ会社はごくごく小さな零細ともいえる企業でした。
それが20年もたたず年間売上高が70倍にも急成長した会社でした。
入社当時、豪傑のような先輩が多数おり、人の仕事の何倍も速く終わらせ、半日遊んでいるように見える人もいました。
私も当時は早出終電、一か月休みなしなど、武勇伝のような話を自慢していました。
現場仕事から管理職になっても、仕事の内容こそ違え、更にハードワークになっていました。
そんな中で、自分の体力のなさに嘆きながら、も自分で心がけていたことがあります。
自分のMAXまで仕事をしてしまうと、その後しばらくパフォーマンスが6割くらいまで落ち込んでしまう期間があることに気がつきました。
瞬間的には120%位のパフォーマンスが必要でも、できる限りアベレージ80%に抑えても、同じ会社の他の社員よりも自分の仕事の質が高いことに気が付き、自分で自分の能力の発揮を抑えることで、人よりも落ち込む期間をなくすことを予防するようになったのです。
もちろんサボっているような時間もあり、後ろめたい気持ちはありましたが、それが時間ではなく能力を平均的に発揮し続ける自分の働き方でした。

その後私自身も責任ある立場になり、会社としての体裁を整える立場になり、休みの取得を奨励し残業の削減を進め、更には制度を整え、現場をサポートすることも実施していきつつ、かつての先輩や、自分が行ってきた集中的に緊張感を持った仕事をする時間と、緊張感を緩めるインターバルをとるような仕事の仕方ではなく、1日8時間、週40時間平均的に仕事をするような会社にしていきました。

前者のような仕事の仕方を是とする働き方は、古き良き時代の出来事ですが、今の時代に受け入れることができるのでしょうか。

時間ではなく質で評価するのであれば、出社しなくても、半日居て後はどこかに雲隠れしてしまっても、大幅に遅刻をしてきても、1日の大半をサボっているように見えても、納期に間に合って求めるレベルの質の仕事ができていればよしとするのでしょうか。(テレワークやフレックスという言い方もありますが)
そういう能力の高い一部の人が社内にいると、他の能力の低い社員もダラけて統制が取れなくなるような気がします。

コンプライアンスが徹底されている、会社としての体裁が整っている会社であればこそ、管理統制が必要な後者のルールにならざるを得ないような気がします。
それは古い考え方なのでしょうか。それとも多くの日本人が統制されないと能力を発揮できないのでしょうか。
Posted by 上野宏記 at 2018年04月21日 12:54
何時も有益な文章 非常に有り難く拝読させて頂き 感謝いたしております 何かにつけ常に考えさせられます。

有り難う御座います
Posted by Katuhiro Nakayama at 2018年04月21日 16:32
銀行業務のみならず、人工知能による株式売買すら日常化しているのに、なぜ15時で証券取引業務が終わるのか、疑問を感じている者は多いはずだ。その点に関しては宋氏の指摘は的を射ている。もっとも証明書発行などは役所に行かなくても自動発行機で取得できるようになってきたので、少しは進歩しているかもしれない。さらに「個人の働き方を法律で決めてもらわないといけないのか」の指摘もまさにその通りであってまったく同意見です。

しかし、実力主義の給与体系・人事評価にすると会社から言われたものの、10年経ても、20年経ても、コネとゴマスリが幅を利かせて何の変化の生じなかった現実を経験してきた身としては、「日本は何事もお上からの指示がなければ何の変革も起こせない(憲法一つ変えられない)社会だ」ということ。多分、多く者が同じ認識をもっているのではないか。

よく言われていることだが、日本の近代化に向けた革命の明治維新ですら、支配階級かつ知識階級であった侍階級が起こした、いわばお上による維新であって、市民階級が起こした革命ではない。だから、日本をして最も成功した社会主義国家だとの揶揄に対して、「その通りだ」と言わざるを得ない。だから「個人の働き方ですら法律で決めてもらわないといけない」というのが日本の現状だということだろう。

その点、社会主義国中国の人民は、政府の言うことなどどこ吹く風で、生活の知恵に長けていると言わざるをえない。社会主義国出身の宋氏に鋭く日本社会の社会主義性を指摘されるのは皮肉そのものですが。

浅学ながら働き方改革法案の内容について詳しくは気に留めてなかったが、宋氏の指摘で調べてみて、唯一、どうしても実現すべき策は「高度プロフェッショナル制度の創設」だと思います。組織は、いろいろな役割を持ったプロフェッショナルの集合体であって、社長ですら、その一つの役割に過ぎない。当然ながら人間的に偉いから社長をやってるわけではない。

そんな意識を徹底的に企業に浸透させ、プロ意識を持たせることが、長時間労働による過労死を防ぐ効果的な手段と思っている。自分でなくても誰でもできると思うから、会社に何も言えずに黙々と働き過労になるのでは。
転職しても直ちに通用する高度なスキルを持ったプロフェッショナル意識を持った者なら、少なくともそんな働き方は決してしない。
Posted by 大木みきお at 2018年04月21日 22:35
(続き)
一流大学卒の電通の新入社員が自殺した事件など、大学でプロフェッショナル意識を持たせる教育など一切してこなかった典型的な例ではなかろうか。

少なくと、大学時代にインターンシップを経験し、高度な職業意識の重要性を身に付けていれば、あのような死に方はしなかったと思います。

その点でいまの大学教育は大きな欠陥を抱えている。その是正こそ政府が重点的に取り組むべきこと。
Posted by 大木みきお at 2018年04月21日 22:47
やっと!やっとです!
こちら側の話がされているblogに出会えました!もうここまで来たら、あまり仕事をしたくない人達が官軍で、仕事をしたい人達が賊軍なのかと。私が間違えていたのか?と洗脳されかかっていました。
私は運送業です。28年続けてきて今は雇われとはいえ経営側に立つ立場になりました。
私の経験なんてさほどのことはないとは思いますが、ドライバー時代は繁忙期になれば、一ケ月は会社に寝泊まりは当たり前でした。
秋の運動会シーズンも一応繁忙している方でした。今でも忘れられません。長女が保育園の初運動会だった時。前日に大きなクレーム対応に追われ、遠くまで謝罪に行き、朝、同僚たちが出社する時間まで残務に追われていた時。当日運動会に行かねばならない私を同僚たちが見て驚き、「あとはやっておくから!すぐに運動会へ行け!」と追い払ってくれました。お礼を言いながら急ぎ駆け付けた時、園児の入場行進になんとか間に合って。汚い作業着のまま泣きじゃくりながら、顔をくしゃくしゃにさせながらかみさんと二人でとさっそうと行進する娘の姿が見ていました。あの感動的な光景はは15年たった今でもリアルに覚えています。絶対に忘れることはないでしょう。そしてかみさんのおかげ様で、優しくてかわいい娘二人と幸せな家庭を築くことが出来ました。
仕事を早く切り上げて家庭の時間を大切にすることに何の反論もありません。
ただ言いたいのは、幸せな家庭=父親が家にいる時間の長さ。ではないんじゃないですか?
全力で働いた後に初めて家庭の温もりや温かさに感謝できるのではないでしょうか? 懸命に働いて、会社の仲間との間に自分の存在意義や、仲間への感謝の気持ちを表現できるようになって初めて奥様や、自分の帰る家があるという事に、感謝できるようになるのではないでしょうか?
50歳近くなって今では心からかみさんに思い切り働かせてくれて本当にありがとう。と言えるようになりました。かみさんからもいつもありがとう。と言ってもらえるようになりました。
働き方改革って時短が、すべての目的のようになっています。
楽しく働く。ほどほどに働く。思い切り働く。などなど...
働き方の選択を自由に選べることこそが働き方改革なのではないでしょうか。
睡眠時間を除けば、一日のほとんど仕事に費やしているのが現状です。その仕事場。職場を人生のすべてではないにせよ、人生の中でもあまり重要ではないかの如く扱っていると、仕事以外の時間に輝きが生まれるとは到底思えないのです。
本当にこのブログに出会えて感謝しています。
ありがとうございます。社長として、本当の働き方改革に向き合っていきます。もちろん法律順守で(笑)
へたくそな文章で申し訳ありませんでした。
Posted by 杉山 毅 at 2018年10月18日 14:20
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