官僚よりも民間に問題がある

官僚の天下りを問題にしている間に、民間企業では、高齢になっても毎日会社に来る人がたくさんいます。オーナー企業ならまだいいのですが、国の発注と政策に守られている民間企業に高齢者がゴロゴロしているのはなぜでしょうか。

正直言って以前よりかなり改善してきたと思いますが、それでも日本企業の経営者の平均年齢の高さは格別です。60過ぎてやっと社長の椅子に辿り付いたのですから、社長退任後、当然数年会長をやります。その後は名誉会長、顧問、相談役などを歴任するので80過ぎても取締役会に留まる事例は枚挙にいとまがないのです。

私も上場企業の取締役会を長く主催してきましたが、社長経験者は会長や名誉会長、そして顧問や相談役になっても、役員会での影響力は現役の社長より強いのです。現在の日本の上場企業にも社長が社内のNo.3やNo.4であることは決して珍しいケースではありません。

CEOがCEOのように仕事できない。このことを言い換えれば、権力のトップは結果責任を負う必要がないということです。おまけにこういう会社には大体、株主らしい株主も存在しないから、外部からの監督は実質的に不可能です。派閥が蔓延り、政治闘争に仕事以上のエネルギーを使ってしまうのです。

官僚や政治家のせいで経済は元気がないとの論調にいつも腹が立ちます。経済は一つ一つの企業、一人ひとりの人間の活性化によってのみ活性化されるのです。政治や官僚のせいにする企業は裏返せばそれだけ政治や官僚に依存してきた企業です。

我々ベンチャー企業は決して政府や政治や官僚に何かを期待することがありません。人間様が地球上に繁盛している以上、かならず「食べる、着る、楽しむ、働く」などの行為をするのです。一国、一分野、一時期に自分を縛り付けず身軽に変化を成し遂げれば必ず成長の道が見付かるのです。

しかし、この身軽さと自ら変化する強い願望は高齢者には少ないのです。良い悪いの問題ではなく、我々は動物であり自然の摂理に勝てないのです。「高齢者が元気だ」といってもそれはその年齢に対して元気だという意味であり、70代の経営者が50代のように働きチャレンジできる訳がないのです。

私は以前、面白いタクシーに乗ったことがあります。ドライバーは明らかにご高齢でした。興味半分でご年齢を聞いたのですが、確か70歳前後だったと思います。「いつまでおやりになるつもりですか」と聞きましたら、「おらは死ぬまでやりたい」とおっしゃいました。

死ぬ直前まで仕事したいお気持ちは分かりますが、一緒に乗っている人はたまりません。


P.S.日経平均が語るもの

大半の時間を北京で過ごしている現在、私はよく日本に初めて行った時のことを思い出します。24年前の今、北大のキャンパスがもう肌寒かったあの秋。

もし私があの時に日経平均を1株買っていれば今日はまだ損したままです。85年10月の日経平均は1万2千円以上だったからです。これに対してニューヨークと香港で買えば今日で6倍になります。最も資本主義の成熟したロンドンで買っても今日で2倍以上になります。

株の話ではなく経済の話です。結果に原因があるのです。

取締役達が集まった勉強会によく講師として呼ばれますが、女性が一人も居ないケースが殆どです。保守的な風土、高いコスト体質、株主軽視の風潮が重く日本経済に圧し掛かっています。これらの短所は長所のテクノロジーと社員の勤勉さを食いつぶしてもたりません。

「日本では今、素晴らしい事業がどうにも見当たらない」。これは著名投資家ウォーレン・バフェット氏の1998年10月の発言です。彼が正しいかどうかを評論するつもりはありませんが、投資家は評論家と違って判断を間違ったら膨大な賠償金(損害)を払わなければならないのです。
この記事へのコメント
仰る問題については仕事上確かに実感として感じます。心配もしております。

日本のパターンとして、問題がどうしようもなくなって、とことんまで悪くならないと変われない、そんなサガがあるように思います。誰が見ても悪くならないと責任問題から怖くて声があげられないのです。
これは、官・民共通の問題です。

日本人の地力はまだ沢山残っていると思います。いま日本は苦しい時期ですが、乗り切り必ず新しい時代を切り開くと思います。
Posted by Masuda at 2009年10月16日 08:22
この問題は畢竟、あれ(官僚)かこれ(民間)の問題ではなく若い世代に「起業」のチャンスと例え起業しても成功の可能性が低い事にあると思います。その主たる原因は「既得権益」でありこれを打破するには「官僚」の握る「規制」を緩和し若い世代に自由な「競争」、「イノベーション」加速させ社会を発展さす必要があります。そうすれば老人が居座る古い会社は悉く淘汰されるでしょう。ご指摘の様な老人が居座る古い会社はいわば、「官僚」握る既得権益の「影」にしか過ぎません。
Posted by 山口巌 at 2009年10月16日 08:30
たとえが悪いのかもしれませんが、やはり民族性の差が出ているような気がしてなりません。日本の組織はまだまだ外と戦う組織ではなく、内部抗争型の組織になっているような気がしてなりません。米国のリーダーは、大統領をはじめ30代後半〜50代前半が普通、内なる敵ではなく、外と戦うための組織と言うのはやはりある程度の「若さ」と「熟練」が必要であり、そのバランスが最もとれている年代となると自ずと決まって来るのだと思います。(最も顕著な例として、軍隊がそうです。「老兵は死なず..」のDマッカーサーも最終的な解任は71でしたが、55歳・陸軍大将の時に一旦、米軍を退役してます。日本では特殊な例かもしれませんが、自衛隊も「将軍」「提督」は40代後半から50代前半が中心です。やはり「戦うための」組織のリーダーは経験の蓄積と言うプラス面よりも加齢による判断力の衰え、活力の低下をおそれて、ある一定の年齢で退くべきとの考えが万国共通のものとしてあります。)
「老兵」には「老兵」の役割があります。熟練した経験や技術を伝え、最後に「死にざま」=つまりは「生きざま」を後に続く者に示す事です。後に続こうとする者たちと戦い、結果として潰すことがその役割ではありません。もちろん、当の本人達に自覚は無いでしょう。でも正規社員の雇用の為に若年者の新規採用を抑制したり、派遣労働に切り替えたのは結局そういうことでしたよね。年代の果たすべき役割・分を超えてなお影響力を及ぼそうとするのは「老兵」では無く「老害」に他なりません。世代間の対立をあおるつもりは無く、年代にはその年代に相応しい役割があり、その役割分業が進めば、より良い社会の実現に近づくと思う次第です。
Posted by K-KUSHI at 2009年10月16日 08:57
最近になってこのメルマガを拝読するようになり、時間があるときにはバックナンバーを興味深く読ませていただいております。

今回のメルマガでの質問なのですが、『株の話ではなく経済の話です。結果に原因があるのです。』の部分の真意が分かりかねました。

ご教示のほど宜しくお願い致します。
Posted by 佐久間 明浩 at 2009年10月16日 09:00
一番初めのコメントが宋さんの記載に関するものでないことに初めにお詫び致します。ゾマホンさんの連載を毎回楽しく読ませて戴いています。今回の日本企業にアフリカに投資をして欲しい旨が書かれていたと思います。またアフリカの正しい情報が不足しているといった内容も書かれていたと思います。個人的な意見で恐縮ですが、私が外国に興味を持つ場合まずは楽しい面、興味をそそる文化や歴史に目が留まります。今後日本からのアフリカの進出推進を考える場合、日本文化をある程度理解されているアフリカ出身者の方々や親アフリカの方々が知恵を出し合って日本人の興味をアフリカに向ける努力をしてみては如何でしょうか?幸い団塊の世代の多くが時間を持て余していたり、不本意ながら就職が叶わず日本国内に希望を失っている若者も多いはずです。アフリカの正しい情報と一緒にアフリカの魅力と可能性を提案してみてはどうかと思う次第です。アフリカで日本人が興味を持ち、新しい仕事や第二の人生をアフリカで過ごす可能性をもっと描いてみたら面白いような気がします。
Posted by 小田倉 靖 at 2009年10月16日 09:14
おはようございます。
今回も貴重なお話をいただきありがとうございました。
人は権力にしがみつき、なかなかその手を放そうとしません。
安心して任せることができる後継者が現われるまでは・・・という無念を残しながらお亡くなりになった方は周りに沢山います。
安心して任せることができる人物など一生現われないのにです。
結局、多くの経営者は己のコピーを求めているのです。
本気で後継者を求めるのであれば、他人でも身内でも誰でもかまいません。この人ならと思う人に愛と勇気をもってその人を信じてすべてを託すことです。
それが出来なければ永遠に権力というしがらみから逃れることなく心の自由を死ぬまで得ることはないでしょう。
ゾマホンさんのお話も毎回目からうろこです。ありがとうございました。
Posted by ごろんた at 2009年10月16日 09:16
先日、雇用調整助成金をもらいつつlexusの新車を買った経営者に会って、志の低さにうんざりしました。40歳前後の方なので、年齢の問題ではないかもしれません。
ただ、「官僚よりも」はどうでしょうか? 天下って予算を誘導したり、形式だけの助成金だったり、いずれにせよ国を喰い物にするような行いは、NOという世論を作っていきたいですね。
Posted by かわい at 2009年10月16日 09:25
全く、宋さんの仰るとおりです。
その老人達がなんと言っているかご存知でしょうか?
本当に面白いことに若い人の元気がない。なんとか若い人の意見を採り入れなければならないと言っております。
明治時代にはたくさんの見識ある人たちがいて、うまく若い人たちにバトンタッチしていたのですが、最近はすっかり影を潜めました。やはり教育問題にあるんでしょうかね。
Posted by Kantikusanjin at 2009年10月16日 09:57
宋さん
おはようございます。

相変わらず手厳しい評価ですね。
しかし本来我々日本人が本当は言い出さないといけないことなんでしょうね。

私は前回中国人に対して良い感情がないと書きましたが、最近親米保守派?の志方さんが中国人の方がよほど日本の将来を心配していたりすることが多く、何かあったら私たちが守っていくと気骨のある学生が多いと発言されていました。

なるほど宋さんも本来私たち日本人が言わなきゃいけないことをおっしゃっている。

正直私を含む大人が思考停止しており、反日、親中、反中、親日にとらわれて物事の視野が狭くなり他国や官僚に対し責任転嫁している事実があります。

まだ何もかもを受け入れて明日からは変えようとまではいきませんが物事の視野を広げていく努力はしたいと思います。
Posted by gen at 2009年10月16日 09:57
今回は宋さんの言われることに全面的に同感です。現在の日本の大企業経営陣たちの無能、破廉恥ぶりは目を覆うばかりです。
本来、金融危機にほとんど影響を受けないはずの日本経済がなぜこのような苦境に陥ったのか。経団連企業に代表される輸出企業大手の経営陣の責任が大きい。米借金バブル経済に依存したバブル輸出に全経営資源を投じ、本当の価値創造への投資を怠ったことが、この経済危機を生み、その付けを市民へ労働者へ押し付けて、反省の色さえ見せない。これを破廉恥と言わないで何と言う。
私はつい最近まで成都に住んでいました。現在は上海ですが、中国の、特に輸出依存では無い内陸部の経済は、絶好調、過熱が心配されるほどです。だが、日本企業の多くはこういう市場に売る物を持っていない。投資して来なかったのだから当然です。米借金バブル消費がいずれ破綻することは、誰もが判っていたにも関わらず、です。これを無能経営者と言わずして何と言う。
宋さんは高齢を理由にしていますが、若い経営者でも、今日は昨日の続き、明日は今日の続き、という経営しか出来ない無能エリートはたくさん居ます。それは当然です。そういう行動パターンを評価されて昇進し、経営者として抜擢されてきた人たちですから。バブル崩壊を予測し、それに備えるために昨日の続きを止めることなど出来るはずもない。
CEOがNo.3、No.4という会社組織が多いことも認めます。が、それでもCEOにはCEOの責任があり、それを免れることは有り得ない。勇気を持って老害を排し、経営を正すことはCEOの責任であり、できるはず。そう言う空気になれば、ご高齢の方々も、排される前に自らリタイヤされることでしょう。まだまだやれるという元気があるなら、新天地で思う存分実力を発揮していただけばよい。
Posted by 愚痩子 at 2009年10月16日 10:28
ますます高齢化社会となる日本では、長老による支配は避けられないですね。
豊かな老後が確保されていない点にも理由があるのでしょう。
世代交代も問題ですが、現実的に考えるとせめて今より民主的に経営を進める方策はないものか…と考えてしまいます。

ゾマホンさんのお話は心に響くものでした。
単なる援助ではなく、もっと本質的なところでアフリカ諸国とふれ合いたいですね。
Posted by 三輪周二 at 2009年10月16日 10:54
前略 毎号楽しみに拝読しております。初めてのコメント送信ですが、今回のお話ほど感じさせるものは、ありませんでした。いつもなるほどと思いながら、拝読しては居りましたが、身近な問題としてコメントさせて頂く機会になりました。弊社の親会社の現状が全くお話の通りの状況だからです。トップの会長は83歳。全権を掌握し人事から設備投資までを一手に、運営しております。オーナでも無く、大株主でも無い。他の企業では考えられない、経営状況が20年以上も続いております。この間実権の無い社長は4名交代しております。いつも考えますに、体も動かず、斬新的な経営改革に挑戦する気力も年齢から無理です。しかし自分の経験や経営感覚を、次の若い世代を育てる事に尽力しなかった結果が、誰を社長に置いても不満に思われ、首を挿げ替える20年間だったのでしょう。年商300億に育った企業。周りのイエスマン達は指折り数えて「あと何年・・・」と日々考えている昨今、との話が子会社に届いております。愚痴の様なお話で申し訳ございませんでした。これからも末長くご活躍されます様、お祈り申し上げます。  草々
Posted by T.Jack at 2009年10月16日 11:00
>これに対してニューヨークと香港で買えば今日で6倍になります。最も資本主義の成熟したロンドンで買っても今日で2倍以上になります。
だって、日本は資本主義じゃなくて、社会主義だもん。
Posted by 俺 at 2009年10月16日 11:02
亀の甲より年の功という諺がもはや死語となってしまった結果かもしれません。

年を経るに従って物事の判断力や感覚・感性が洗練され熟練されていくのならば、年長者の助言というものが生きてくるでしょう。

時代に合わせて変化していく部分は若い経営者に任せ、いつの時代も変わらない部分、例えば人と人との関わりに関する部分などは年長者の出番。

自分にできる役割を考え、早くから後継者を育て、自分は隠居し援護に回る。会長職とか相談役というのはそうゆう意味合いなのだと思っています。

しかし、その前提となる判断力の洗練・熟練がうまくいっていない、だから引き際も自分の役割すら客観的に見れていない、という状態であれば、それは単に老害です。

本当に素晴らしい判断力をお持ちの高齢者であれば、自分が隠居しても、社会がそれを許してはくれない。すぐに引っ張りだされます。

高齢期というのが人生の黄昏ではなく、人生の円熟と言えるように僕は頑張りたいと思っています。
Posted by nananaga at 2009年10月16日 12:02
おっしゃるとおりです。これは会社自体の問題だけではなく、選挙制度の問題大きいと思います。若者が全員変化を望んでも老人には数で勝てず、さらに公共事業に依存した地方ほど老人が多く、一人当たりの票の価値も大きい。これでは若者が自由にやれるような風土ができるわけがありません。せめて年金受給者や公務員、事業の大部分を公共事業に依存する会社の関係者からは、選挙権を剥奪できるといいんですが…。
Posted by 名無しさん at 2009年10月16日 13:34
宋さんのメールマガジンを最近購読し始めた、大学農学部3年の者です。お話ありがとうございます。
私のまわりでは、このごろ就職活動が盛んになってきました。多くの学生が大手企業を的にしぼって活動しており、情報へのアクセスのしやすさから私も大手企業を見ております。
仕事を通じて成長したい、という思いと、いつかアフリカ、アジアで飢餓を減らすという社会貢献をしたいと考えています。
大企業で、身の安定がある程度保証される中、レールに乗って仕事をし、着実に自分が夢に向かって行動できるパイプ作りを進めて行くのか、中小・ベンチャー企業で、政府や大企業のレールに依存するのではなく、自ら切り拓いてく、支えてく、という意識を培うのか、というところで悩んでいます。
若いうちにバリバリやるのなら大企業、しっかりと自分を積み上げるのなら中小企業、という方向性ではないかと思います。

>政治闘争に仕事以上のエネルギーを使ってしまうのです。
この世界の中に入りたくない気持ちと、実際に行動するにはこの世界でうまくのぼり上がる知恵が必要なのではという疑念の狭間にいます。

これからも、宋さんの世界観を楽しみにしています。
Posted by 宇宙の底辺 at 2009年10月16日 14:30
高齢化社会を問題視するのは失礼だと言った宋さんが、高齢者は早く引退しろというのは、働かない高齢者であふれる日本になってほしいということですか?

それに、お上の世話にならないベンチャーの道を歩まれている宋さんが、官僚の天下りや保身や、既得権益死守に寛容なのに、民間企業には厳しいのは何故でしょう?
「国の発注と政策に守られている民間企業」というのもピンときません。小沢さんの権力の庇護のおかげで仕事を確保している西松建設のようなケースを言っているのでしょうか?それは全ての民間企業には当てはまりません。

欧米と比べて日本の企業のトップが高齢であると仰っているのかも知れませんが、欧米の企業のトップは日本に比べて給料も退職金も桁違いに高く、若く引退しても充分な生涯収入を得ているという点が違います。日本の大企業のトップの報酬は韓国に比べても驚くほど安いと思います。
それに歳をとって能力が落ちたからといって、長年会社に貢献してきた人を冷酷に切り捨てるというやり方は日本人には馴染みません。社員は会社のために忠実に働き、会社は社員を守るということを「もたれ合い」とし、欧米型成果主義をまね、日本型経営の良さを捨てたことが日本の産業の衰退に繋がっているということは昨今盛んに言われていますが、私も日本が欧米や中国韓国の真似をする必要は無いと思います。

そもそも民間企業でどんなに高齢者に高い給料を払っていたとしても、例えそれが「老害」でしかない人たちばかりだったとしても、それはその企業の自由ですし、そんな企業に投資するのも個人の勝手です。企業がデタラメな経営によって倒産するのも、株主が損するのも自己責任です。(もっともリーマンのように世界中の関係の無い人たちにまで迷惑をかけた企業もありますが、それは米国型強欲金融資本主義が諸悪の根源です)
民間企業は倒産したとしても、必ず同業他社がその穴埋めをします。

しかし官はそうではありません。
どんなにデタラメをやっても他にとって代わる者はなく、倒産することもなく安泰です。それは税金で養われているからです。そして税金で食わせている以上、納税者はそのデタラメに目をつぶるわけにはいきません。

それに高齢だからと言って役に立たない人と決め付けるのも乱暴すぎるでしょう。
「70代の経営者が50代のように働きチャレンジできる訳がない」というのは宋さんの偏見です。70歳80歳でも若々しくチャレンジ精神旺盛な人は珍しくはないし、逆に30代でも保守的で覇気が無く頭が固い人がいくらでもいます。
宋さんのあげたタクシー運転手の例は別問題で、それをもって一般論化することはできません。反射神経や身体能力は歳とともに確実に衰えますが、知的な作業はそうとは限りません。知識と経験の蓄積という点では、高齢者は若い人よりアドバンテージがあります。
特殊な例ですが、オスカー・ニーマイヤーという建築家は100歳を超えた現在でも現役で活躍しています。

そういうわけで、日本の企業のトップが高齢であることをもって、官僚よりも民間企業のほうが悪いとする宋さんの論法には説得力を感じません。
お上に頼るわけではありませんが、特に少子高齢化社会の日本においては、役にも立たない天下り団体のためではなく、やる気がある高齢者が活躍できる環境を作ることに税金を使うべきだとも思います。
Posted by カワセ at 2009年10月16日 16:01
明治の実業家である伊庭貞剛が若くして引退する時に残した言葉「事業の進歩発展に最も害するものは、青年の過失ではなくして、老人の跋扈である」が、今回の宋さんの主張と合うような気がします。
Posted by 宮本 洋平 at 2009年10月16日 18:21
民間に問題があるというご指摘は正鵠を射ていると思います。日本の民間企業はこれまで、自分達の身の振り方まですべて官に決めて貰い、それに従うことで正当性を競ってきました。要するに、自立していない、なりだけ大きな幼児なのです。褒めて貰うことだけが生き甲斐なのです。
当然、資本主義は成り立ちません。社会主義どころか、まさに依らしむべし知らしむべからずの幼児国です。もはや救うすべも見あたらないので、早くどこかの国の信託統治にして貰った方が良いと思います。
Posted by 菅 晃千 at 2009年10月16日 21:36
私は生涯現役で働くべきだというのが持論です。私は生涯仕事を続けたいし、もし、仕事がつづけられなくなったら、人生からもリタイヤしたいと思っております。私は専門的な分野の仕事をしておりますので、老化して役に立たなくなれば、自然と仕事が来なくなるのでその時は年貢の納め時だと覚悟しております。判断能力の衰えた高齢者が経営者であれば、自然に経営が立ち行かなくなり淘汰されるのでよいと思います。年齢ではなく、判断能力があるか否かが問題です。もし、判断能力の衰えた者が経営者であっても経営が成り立つとしたらそれは社会自体が老化しているのです。タクシーの運転手のように身体能力の低下が危険を伴う職種の場合は、身体能力のテストを行うようなシステムを整え、テストに合格し、本人が意欲を持っている限り仕事の継続を認めるべきだと思います。リタイヤして何もしないで何十年も生きているより、生涯現役で働けるような環境を整えることが必要だと思います。
Posted by 56才生涯現役 at 2009年10月17日 04:22
当方は、40年間のサラリーマン生活を終え、この7月から無職の身になっている者です。
私が毎日のニュースで一番気になるのは「政治が景気をなんとかすべきである」という論調です。それは自民党政治で景気対策と称して借金漬にしてきたのと同じことをこれからも続けるべきだという話に聞こえます。民間企業はどうすべきかの議論はないのでしょうか。
私が40年間勤めていた会社でずっとなんとかしたいと思ってきて発言もしてきたことは「偉さの経営(これは私固有の表現です)」からどうして多くの企業は抜けられないだろうかということです。企業の中で偉くなることが目的化した時に起こることは、偉い地位に就いたとたん、部下に全て依存するような振る舞いになり、結果として何も考えない先見性も具体性もない指示をしているだけの人になってしまうということです。そして、部下評価は自分に対して心地よい部下であるかどうかが全てになったしまうのです。これ自民党と同じです。日本ではこのような「偉い人」を役員にしている企業が結構多いのを散々見てきました。日本の改革は、偉い高齢者がその席と意思決定権を若い人に譲ることから始めなければならないと思っています。これには、若い人が頑張るしかないのでしょうが。
Posted by 神奈川 鈴木 at 2009年10月17日 15:19
良い?勲章を貰えるまでがんばる人もいますね。官民ともに。
Posted by 痴本主義者 at 2009年10月17日 19:09
孫さんがおっしゃることに私も同意見です。現在の日本では、政治、政治と騒いでおりますが結局のところ私達一人一人が良い方向になるように努力しつづけなければならないと考えております。私は現在31歳ですが、自身の夢や目標を目指す一方で高齢の方が働くことができない分まで働いていきたいと考えております。いまこそ、「共生」がこれまで以上に重要になっていると思えてなりません。Ryo 
Posted by Ryo at 2009年10月17日 21:56
民間は責任者がはっきりしています。つぶれるとその責任を取るのが代表者です。官僚の最大の問題は、誰も責任を取らないシステムです。官僚は借金が増え続けても前年度と同予算を要求し、借金が増えることがあっても減らすことは非常に難しいことで、いわば、赤信号をみんなで渡っているような状態です。民間では収入が減れば、支出も相応に減らすわけです。収入が減るのに支出を維持することはあり得ないことです。本当に恐ろしいです。
更に恐ろしいことに先進国と呼ばれていた諸国がみんなで赤信号を渡りだしていることです。このような状態だと為替の均衡は、ちょっとのさじ加減でまた崩れるのではないかと危惧します。
官僚の問題で民間が被る被害は非常に大きいです。官僚と政治家には本気で支出を減らす努力をしていただきたい。
Posted by アルテ at 2009年10月17日 23:45
日本人にとって変化を受け入れたりプライドを捨てるのはなかなか難しいですよ。
二流、三流の人間に限って「プライド」を持ちたがるのです。
若い労働者の待遇を良くしないと、この先日本は確実に後進国になります。
女性をもっと管理職に起用しないとダメです。
Posted by ファーブ at 2009年10月18日 00:20
本当ですね。年輩の方の知恵は大切ですが、いつまでも権力をもってしまいことは、将来を考えると怖いことですね。

けれど、中心になるべく30代、40代も、その状況を見て、同じように自分たちも定年することを考えていない男性が多いように思います。

反対に、女性はキャリアを積んできた30代が結婚や出産で仕事を辞めるケースが多いように思います。

それを微笑ましく思う50代の男性や、横目で「私は違う」と、キャリアを中心に私生活をあきらめる40代の女性。

いろいろと考えるこの1年、私も妊婦になり、職を追われ、それでも周りの温かい力添えで、アルバイトを始めました。

これからの子供たちが育ち成長し、支えてゆく日本はどうなるのか? また、世界もどのように変化するのか?

今、自分自身が将来のために少しでもできることを探せればと思っています。
Posted by Taekon at 2009年10月21日 14:56
今回はかなり「あざとい」タイトルですね。表現上の宋さんなりの工夫なのかもしれませんが。

>官僚よりも民間に問題がある

そんなことありませんよ。

宋さんご指摘の高齢化問題などのさまざまな社会の問題現象・あるいは傾向は、日本社会全体に根ざしたもので、「官民共通」です。こっちよりもあっち、という話ではありません。
農耕民族社会というのは「男を卒業して久しい毒にも薬にもならない好々爺」が「長」として座っているのが一番収まりがいいんです。馬鹿じゃ勤まりませんが。
そんなもの、グローバル化が進み狩猟民族の末裔が覇権を握っている現代世界にはマッチしないじゃないか、と言われればその通りです。ただ、われわれは一度たりとも他民族に全民族的な虐殺陵辱を受けたことが無い「ナイーブ(笑)な農耕民族の末裔」なんです。我が国が、有色人種として唯一「中原に鹿を追う側」で参戦した先の戦争で惨敗したあと、アメリカではない他の国の支配を受けていたら、ひょっとしたら覚醒していたのかもしれませんが、残念ながら国全体として覚醒は足りていません。

で、官や大企業(子会社多数保有)の場合、肩たたき・天下りという巧妙な仕組みで組織のバランスはうまく保たれるようになっています。
また、組織の中の権力闘争や派閥間のいがみ合いなんて多いか少ないかは別として人間の社会ならどこにもある話で、逆にそういう闘争心が全然なくなったら組織の生命力も終わりなんじゃないでしょうか。諍いばっかりでそれが仕事みたいな話なら大問題ですが、日本の場合はそういうのはごく一部でしょうし、民間なら長く持ちません。
一方、官の場合は組織としての淘汰が無いので仮にそういう問題があるとすれば看過出来ないのですよ。組織の淘汰が無い代わりに国家全体が淘汰されてしまいますから。

まぁ、日本民族が一時期・ごくごく短期間の繁栄のあと、ポルトガルのように衰退するのか、消え去った歴史上の数多の王国のように霧散してしまうのか、それは誰にも分かりませんがね。
また、鳩山ぼっちゃん政権の「ひとりよがり理想主義の友愛精神(笑)」と、マニュフェストの多数を占める「一億総貧民化政策」が一体いつまで日本国民に容認されるかも誰にも分かりません。
今回、日本のサイレントマジョリティは「族議員−官僚システムというどうしようもない税金私物化に等しい既得権益構造」の打破と「子供若者優遇という別種の既得権益構造の構築」を求めて民主党を選択したんであって、なにも「一億総貧民化政策」までまとめて承認してるわけじゃありませんから。

と....ここまで書いてきてふと思ったのですが、宋さんからすると日本の官僚の品行方正さは、腐敗臭プンプン桁外れのお国の官と比較して立派に見える一方で、民間の方の日本の停滞ぶりが際立って見えるのかも知れませんね。
それはその通りでしょうが、やっぱりそれは単に国情の違いですよ。
ただ言えることは、宋さんのような優秀な方が逃げ出す国ではなく、ぜひこのままの外国人を少しでもひきつけられる国であって欲しいものです。
Posted by あきら at 2009年10月21日 17:57
いつも楽しく拝見させていただいております。メールマガジンからリンクをたどり、こちらのブログを読ませていただいております。
はじめてコメントをさせていただきます。

私は、政治と経済は別だと考えており、宋さんのお話に同感です。

政治は、その国の地域の人々がいかに幸せに暮らせるかに配慮したルールや富の整備を行う、機能であると考えています。

ビジネスは、世界中の人々に、より豊かな生活のための具体的な提案をする場であり、その国の経済は、どれだけ世界に影響を与えたかの、指標になれることが望ましいと考えています。

私は現在33才の会社員です。
70才を越えた高齢の方々と私の大きく異なる点は、『新たに儲けたい』と欲するところにあります。

誰かが成功した前例を頼りに、ビジネスをより良くすることは大切なことですが、そればかりでは社会の進歩は限られてしまいます。新しいビジネスを取り入れる決断を、高齢の会長が出来るとは考え難いです。

戦後、日本は欧米の作っている洗濯機やテレビ等を、より良く、安価に作ることで、成功してきました。
この過去の成功こそが、日本にとって今の低成長材料になっていると思います。

『若さ』とは『未熟さ』ではありますが、『未熟』なものに含まれるの『可能性』を受け入れる経営陣であるために、『高齢な経営層』に対して、警笛は必要だと思いました。

未熟なコメントでしたが、読んでいただき、ありがとうごさいます。

Posted by 太一郎 at 2009年10月27日 00:20
老人と子供は愛されてきた国なんですが、
一部の老醜をさらしている権力者のために
若年層の反発がおさまらず、
すべての老人が廃棄物のようにみられてしまう
今日の世情には哀しいものがあります。
Posted by 田無 at 2009年10月27日 12:13
あの泥縄政権のどの辺を見て「こなれている」と思うのでしょう?、アジア重視を打ち出している政権への側面支援ですか?。
「この国が政治によって良くなる事はない」と言われていましたが、政治によって悪くなる事はあるのですよ。特に経済面。
Posted by kenken at 2009年11月02日 11:06
若林亜紀氏がしきりにお役所は「無駄遣いばかり」だと言って、公務員のイメージばかり貶めておりますが、アンフェアです。
今の日本の経済の低迷の主たる原因は、民間企業の多くの割合が、ぬるま湯に浸かった状態で、新しいイノベーション(このようなイノベーションに関する意識はむしろ組み込みソフトを開発しているエンジニアなどのわずかな知識労働者層が高い)を興そうという自覚、その為に必要不可欠な長期的な学術研究界への投資に対する認識、忘年会などする必要も無い事をやめてでも真摯に自らの企業のこれからの方向性やビジョンを考えて打ち出そうと言った意気込みや進取性等を決定的に欠いている事にあります。
何故、労組や経営者は、新しいもの造りのあり方についてまともに議論する努力も実行せずに、自らの怠惰を棚に上げて、政治やお役人の責任になすりつけているのか、忘年会などする前に激しく議論する必要があるでしょう。
同質文化の日本においては、なかなか一人一人が、当たり前と日頃考えている事に、疑問意識を持って考え直そうというようにはなりません。
しかし、そういう日本的な惰性が現在の産業界の低迷を恒久化します。
お役人の汚職などもひどいものがあるでしょうが、社会に及ぼす影響の大きさから言えば、むしろ、民間企業など一般人が「イノベーション」というものについて、殆ど無知である事の方が致命的です。
やたらと公務員いじめのような安易な風潮は、かえって本質的な深刻な問題についての取り組みを妨げます。
MOTに関する知識を殆ど持たない仕分け人が、子供手当てなどのような途方もないばらまき為の財源を無理やり捻出する為に、イノベーションの為に必須の投資、個人や民間では不可能な長期的な投資を、ろくに個別の事業について調査や理解をせずに短時間で切り捨てている事は、日本の社会全体において深刻なダメージを決定的に及ぼします。
イノベーションは単なる「技術革新」と思い込んでいる人が多いという事も、深刻な結果をもたらします。シュンペーターが言う本来的なイノベーションの意味は、もっと深い意味があります。
事業仕分けそのものは、ゼロからのやり直しが必要です。
もしやり直しもせずにこのまま、予算編成の参考にされた場合は、後世において「政治主導によるイノベーションの抹殺」とでも評価される事になるでしょう。
Posted by tron at 2009年12月10日 11:20
幸福は物で量るのもでない。
自身が思うことです。
経済は人と比較すべきでない。
Posted by 上原邦吉 at 2009年12月11日 21:31
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